ひとり言 其の二百二十七(のだめカンタービレ)

2008年1月4日

噂や楽譜売り場の存在感で大流行したことは知っていたが、これまで一話も見る機会がなかった「のだめカンタービレ」
お正月特別番組での全話一挙放送を見た。
「そんなウマい話なんて、、、」と、お決まりのTV突っ込みをしたいところは色々あるけれど、けっこう面白かった。

昔ドイツに留学していた頃、カラヤンがベルリンフィルハーモニーを引き連れてケルン(私がいた街)でコンサートをしたことがある。
その時、カラヤンが指揮したのがベートーベン交響曲第7番。そう、「のだめカンタービレ」でイケメン千秋真一が最初と最後に指揮をした、あの曲だ。
以前からベートーベンの交響曲の中では一番好きな曲で、それを生カラヤン&生ベルリンフィルで聴いた私は、背筋がゾクゾクしたのを憶えている。
もうひとつ忘れられないのが、チケットを買う時に隣に並んでいた、おばあちゃん。
私も人のことを言えないけれど、どうみてもクラシック音楽とは縁のなさそうな、ぶっちゃけて言ってしまえば見窄らしい格好をした小柄で貧相な印象のおばあちゃんだった。
数少ない当日券を並んで買うので、きっと転売目的でお金稼ぎにチケットを購入するのだろうと思っていた私は、話しかけられても適当な社交をして、日本から来たとかケルンの音大で勉強しているとか、そんなことを手短に答えた気がする。
そして私たちは目出たく当日券をゲットし、開場までの1時間くらいをそれぞれに過ごした。
開場時間になると、綺麗に着飾った人たちがゾロゾロとやってくる。
そんな中に、白いブラウスに黒のロングスカートでドレスアップしニコニコしている、あのおばあちゃんがいた。
正直なところ、あまり似合ってはいなかったけれど、私は歩み寄って「素敵ですね」と声をかけずにはいられなかった。
そして、照れくさそうに微笑みながら「ありがとう」と言うしわだらけのおばあちゃんに、外見で人を見下すような判断をした自分を恥じ、申し訳ない気持ちになった。
おばあちゃんは、本当に本当に嬉しそうに最後まで演奏を楽しんでいるようだった。
コンサートが終わったあと、開場の出口で花を渡そうと、私はカラヤンが来るのを待った。
初めは他にもたくさんの人たちがカラヤンが出てくるのを待っていたけれど、それも少しずつ減っていった。それでも私は待っていた。
警備員が「マエストロはもう裏口から帰ってしまったよ」と優しく教えてくれたけれど、それでも最後の1人になるまでずっと待っていた。
結局、カラヤンに花を渡すことは出来ず、その花をどうしたかも忘れてしまったけれど、後にも先にも、あんなに長い時間、誰かを待ったのはあの時だけだ。
話がズレてしまったけれど「のだめ」を見て、そんな昔話を思い出していた。
ちなみに、私は「上野樹里」に似ていると言われたことがある。(ファンの人、怒らないで〜)
そのときは、だれだ〜それ?と思っていたけれど、実は「のだめ」を見ながら時々「なんか今の顔、若い頃の自分に似てるかも」と思うカットがある。でも、それはいつも決まってボケて突っ込まれる時の「ギャグ顔」だというところがちょっと悲しい。
でも、ま、あんなカワイイ女優さんに(おせじでも)似てると言ってもらえたのだから文句は言えません!