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映画『ブエナ ビスタ ソシアル クラブ』で、一気にキューバブームに火が付いた2000年5月、私はハバナ国際ギターフェスティバルに参加する為にキューバに行く事となった。そもそもの発端は、福田(進一)さんに声をかけてもらった事から始まった。「ハバナはホンマ、おもろいで~」と、福田さんが言うと、なぜか半端じゃなく面白そうに聞こえてしまう。「世界中のごっつウマイギタリストばっかで、オレなんか1番へたやで~」と、続く。え?福田さんより上手い人ばっかりって、一体どーゆー集まりなんだろう?と、興味が倍増する。「カッちゃん(村治佳織さん)も来るし、渡辺香津美(なぜか呼び捨て)も来るで~」え?じゃ、行こう!そう、私は意外にミーハーなのだ。びっしり詰まったレッスンの日程をやり繰りし、理解ある生徒たちの協力で5月11日~24日までの2週間をあける事が出来、キューバへの準備は整った…(続きは”キューバ旅行記”の写真をクリックしてください。)

ギターを始めたころ、私にはひとつの夢があった。それは、アルハンブラ宮殿で「アルハンブラの想い出」を演奏する、というものだ。当時の私は、トレモロの出来る人を魔法使いだと信じていたので、自分が「アルハンブラの想い出」を演奏する日が来るなんて考えもしなかったし、ましてや スペインに行くなんてことは宇宙旅行に等しいくらいに思っていたので、その夢が現実のものになるなんて脳裏にも浮かばなかった。その夢が叶ったのは、ギターを始めて十数年が経った春だった。ドイツの音大に留学していた私は、当然のようにトレモロを弾き、スペインは自分が今いる所と同じヨーロッパであることを知っていた。夢は手の届く所まで来たと確信した私は、2度目の夏休みを利用して、スペインに出かけた…(続きは”憧れのスペイン”の写真をクリックしてください。)

春。とくに5月のドイツは一年で一番 美しい季節を迎えます。そして私には、この時期になると思わず 口ずさんでしまう曲があるのです。それは、シューベルト作曲の『菩提樹』。 この歌は、漂泊生活を送りながら吐露す る青年の心の叫びを綴った『冬の旅』と いう歌曲集の5番目に収められているも のです。いまでこそ旅は楽しいものとされてい ますが、昔は飢えや病に伏す事も多く、 苦しくつらいものであったようです。そもそも、トラヴェル(旅行)とトラヴ ァーユ(労働)が同じ語源だということ でも想像に難くないものです。それにもかかわらず、多くの人達が何か を求めて旅を重ねてきました。この『冬の旅』も、決して明るい歌曲 集とは言えません。不安、孤独、疲労などを歌ったものが大 半です。しかし、そんな中で『菩提樹』は何とも 言えない優しさと暖かさが感じられる曲 調で出来ています…(続きは”ドイツの思い出”の写真をクリックしてください。)

北アフリカの最西端に位置するモロッコ。その首都がカサブランカだと思って いる人は、かなり多いと思う。 イングリットバーグマンの美しさが際立った映画『カサブランカ』は有名だが、 実はモロッコの首都はラバトという所なのだ。とはいえ、ラバトはカサブランカよりもずっと人口も少なく、小さな都市なので、カサブランカがモロッコの首都と思うの は、かなり普通の誤解だと言えよう。ところで、カサブランカの地名は、スペイン語の『カサ ブランカ』(白い家) に由来し、首都ラバトは ribat(10世紀にイスラム戦士が異端と戦う為に作った要塞化された修道院 )が語源になったら しい…(続きは”モロッコ旅行記”の写真をクリックしてください。)