ひとり言 其の四百七十四(小金井市民交流センター)

2013年9月21日

武蔵小金井駅のすぐ目の前に出来た「小金井市民交流センター」で行われた、福田信一さんと大萩康司さんの公開レッスンを聴講しました。

予定では大萩さんが2名をレッスン後、福田さんが2名をレッスンという流れだったのですが、大萩さんがレッスンするはずの受講生1名が体調不良で欠席となり、そのうえ大萩さん自身も渋滞に巻き込まれ遅刻ということで、福田さんのレッスンから始まりました。

まず最初の受講者はすでに有名な斎藤優貴くん。
トローバのソナチネ第2楽章をたっぷり歌って演奏しました。
福田さんは、まず姿勢から改善すべし!といきなりのダメ出し。イスの高さから座る位置、ギタレストの棒の長さ、足の広げ方、バランス、、、つまりほぼ全てを変えるように指導。
「両手を離してもギターが安定していて、身体とギターの中心があっているかが大事」と、私もいつも生徒さんに言っていることと同じポイントでしたが、ここは更に先があるのが福田さん。「丹田(たんでん)に力がきちんと入るように!」と続きました。
曲については「メロディーだけ弾いてみること」とか「装飾があるところを装飾音抜きで何回か弾くこと」や「中声部のぶつかる(2度)の音をよく聞くように」など、やはり私も良く言っている事を中心にしたレッスンでしたが、印象派の絵画の話などの例え話も分かりやすく、ユーモアも健在で『あ〜、福田さんのレッスンはやっぱり世界トップレベルだなぁ〜』と再認識しました。
他にも、4度の跳躍への注意(4度のあとの音を大きく弾きすぎないように)やスペインの音楽にある独特の「こぶし」の話など、興味深い話も色々ありました。

続く受講者は山本弥生さん。発売されたばかりの現代ギター10月号の42ページにも出ていますが、山本さんは音大のフルート科を卒業後に留学して、ギターの短大も出て、フルートもギターも講師をしているということですので、半分プロみたいなものでしょうかね。ロドリーゴの『祈りと踊り』を演奏。
私は斎藤君同様にまず姿勢が気になったのですが(ギタレストも高すぎるし、中心も合っていない、目と指版の距離が近すぎる等)福田さんは今回は姿勢については何もふれず、まず楽譜の「版」の話から入りました。「難しい楽譜を使わずに、もっとやさしい楽譜を買ってください」と。
姿勢に触れなかったのは、きっと時間のことや(レッスン時間はわずか30分なので)、聴講している私たちのことを考えてのこと(同じことをまた聞いてもつまんないでしょ)と思いました。版については、ロドリーゴの曲はそれでなくても難しいので、無理せずに「弾くので精一杯ではなく音楽を考える余裕をもてるように」ということだと思います。
それから、技術的な指導としてラスゲァードの弾き方を(指だけでななく手首も使い6〜1弦がバランス良く、かつしっかり出せるように)指導。他には、曲のイメージを明確にする、例えばこの曲なら、情景、人の声(男性)、儀式、人の声(女性)というように、、、と、演奏しながらの説明はとても分かりやすかったです。
スペインのフラメンコの手法「ファルセータ」や、一定のリズムの中におけるアクセントの位置などについても、とても勉強になりました。

2人のレッスンがあっと言う間に終わって、ここで大萩さんの登場。
まず、遅れたことのお詫びと説明から始まって、受講者のおおみやひろみさん(漢字が分からずすみません)のアルカス幻想曲(タレガ)の演奏が終わると、大萩さんはすぐに「会場の響き(残響)」について意見してから「もっと、たっぷり音を聞いて、確認してください」ということを何度も言ってました。
フレーズ感や音色の変化についても細かく、同じところを何度も生徒さんに演奏させて「う〜ん、まだもうちょっと」とか「もっと待って、よく聞いて…」と言う感じで、生徒さんに弾かせてそれに1つずつ説明するような細やかなレッスンでした。
福田さんのレッスンは、もう何度も色々な場所で見て来ましたが、大萩さんのレッスンは初めて。福田さんは生徒のパッションをグイグイ引き出す指導をするのに対して、大萩さんは優しく導くような、一緒に寄り添ってくれるような、そんな細やかなレッスンという印象を受けました。大萩さんのギターから紡ぎ出される音が、言葉よりも説得力がある、そんな感じです。
時間がなくてレッスンが途中で尻切れトンボみたいに終わってしまったのですが、帰りに大萩さんにも福田さんにもご挨拶出来たので、私の気持ちは尻切れトンボどころか、とっても満たされていて、ギターがますます大好きになりました。

来週の日曜日(9月29日)に同じ会場で、荘村清志さんを加えた3名で「夢の競演コンサート」もあります。
駅から近いだけでなく、響きも良く、ギターに合っている素晴らしいホールなのでオススメです。(29日のチケットはすでに完売とのこと。キャンセル席があるかは不明)
本当に夢の競演ですね〜。