マルツィン・ディラ(ひとり言 其の五百七十二)
2015年3月7日
武蔵野市文化会館で行われた『マルツィン・ディラ ギターリサイタル』を聴きました。
プログラムは、専門職の私からみてもかなりマニアックなもので、一般の方々にはちょっと難しかったのではないかな〜と思いました。
唯一の有名な曲はアンコールのアラビア風奇想曲だけだったのですが、最近多い「聞き手が喜ぶリサイタルプログラム」ではなく「自分が弾きたいリサイタルプログラム」のこだわりを感じる内容でした。
演奏が良ければ、それも良いですよね〜。でも、なかなか勇気のいることだと思いました。
で、その演奏はと言えば、噂通りの綺麗な演奏でした。
ギター特有の摩擦ノイズはおろか、調弦でさえ音が聞こえないくらい静かにスマートで、消音も完璧。
生徒さんに是非とも聴いてもらいたい演奏です。
和音のバランスも実に見事で、音を大事にするって、そーゆーことなんですよね〜って感じでした。
表現のスタイルは、個性的ではなく、基本を大事にするタイプ。
同じ命を預けるにしても、戦国時代の軍師のタイプではなく、手術の執刀医になってもらいたいタイプ、って感じです(笑)。
人によっては誠実すぎて退屈に思ってしまうかも知れませんが、私は好きなタイプです。
技術的にはもう何も言うことありません。
まるで弦を触っているだけで音を出しているように、重力も摩擦力も何も感じさせない、やわらか〜い動きでした。
実は、昨日からお腹をこわしていて、今日は午前中に診察を受けたのですが、ちょっと無理してでも聴きに行って良かったです。
演奏中にゴロゴロしたらどうしようと思っていましたが、それもなく集中出来ました。
それでも24時間何も食べていないので、ぐったりくたびれました。
ちょうど3日間レッスンも休みなので、ゆっくり静養して体調を整えたいと思います。