第18回全日本アマチュアギターコンクール録音審査を終えて(ひとり言 其の六百五十九)

2017年6月11日

第18回全日本アマチュアギターコンクール、第二次録音審査を終えて発送準備もようやく整いました。
明日投函の予定ですので、2〜3日中には結果がお手元に届くと思います。

今年の参加申し込み受理数は87名で、そのうち今回84名の「ワルツ・アンダンティーノ(カーノ)」を聴きました。

耳慣らしとして審査前にランダムに選び聴いたものや、録音状態が悪かったり確認で2度聴いたものなどを入れると90回くらい同じ曲を連続で聴いたことになります。

コメントも書くので正直ちょっとしんどいですが、このコンクールのために90回くらい録音を撮り直している方も多くいらっしゃることを思えば、なんのその!です。

さて、今回の審査で気になったところを言いますと、まず「音ミス」が多かったこと。私のメモでは23名もの方に音ミスが見られました。音ミスやリズムミスは審査員で確認し合い、各審査員(1〜5点採点)からそれぞれマイナス1点となりますので大きな減点になります。
それでも合格出来た方は、演奏そのものが大変良かったため、と言えるでしょう。

具体的なミスの場所を言うと、6小節目の伴奏が2小節目と同じになっているパターンが一番多く、次いで7小節目と最後から2小節目が同じ音になっているミスが多かったです。
そのように書かれている楽譜もあるかと思いますが、このコンクールでは版を指定しているので、それを守っていない場合は「ミス」と判断されます。
注意深く楽譜を見るのはもちろん大事ですが、応募要項や協会からの通知も注意深く見て頂ければ幸いです。

それから「ワルツ・アンダンティーノ」という曲目にも関わらず、6拍子でカウントしているのかワルツになっていない演奏もありました。アンダンティーノですから、それなりのテンポも必要ですし、3拍子の拍感をしっかり出して欲しかったです。指揮者になったつもりで(自分の演奏を聴きながら)3拍子で指揮をとってみると分かりやすいと思います。

最後に表現についてですが、アドリブに工夫が感じられるものが少なかったです。録音審査という性質上、無難にまとめるほうが安全、と言う考えも分かりますが、もっと「ほほ〜う」と感心するような演奏や「うふふ」とほくそ笑んでしまう遊び心に期待していただけに残念でした。

何だか苦言ばかりになってしまってしまいましたが、良いところも色々ありました。録音状態が改善されているところや、美音の方が多くなっているところは嬉しいですし、何と言っても一生懸命さや真っ直ぐな気持ちが伝わる演奏が多いことには、いつも心を打たれます。

今回合格された方は48名。毎年、最終予選の課題曲演奏のポイントを合格通知と一緒にお送りするのですが、今回は「よりのびのびと表現して欲しい」という思いから、こちらからの方向付けをまったくしない、ということで、プリントを作成しませんでした。

じゃあ、どう弾いてもいいのね、となるのかどうなのか(笑)、、、それも含めて演奏者にまかせてステージで発表していただく、ということになります。含みがあるようですみません。ここで言い過ぎるのは、ちょっと問題ありかなと判断して、ここまでにします。

不合格になってしまった方は、今回は残念でしたが、今後の更なる成長を願います。
合格された方々には8月19日に素晴らしい演奏をまた聴かせていただけることを楽しみにしています。